〖短編〗アオゾラ。―101ページの思い出―
「そんなにオレのピアノがよかったか。」
「はい。」
…素直にうなずいてしまった。
「オマエ、とんだ正直者だな。」
「さりげなく自画自賛してますよ。」
「だって、良かったんだろ?オレの演奏。」
ふふっ、なんだか、楽しい。
楽しくて、どきどきする。
やっぱり…わたしは、一ノ瀬さんが好きなんだ。
絶対そうだ。
曲に聞きほれたのも事実だけど、あの楽しそうな顔…。
わたしの頭から、離れない。
もっと聞きたい、もっと見たい。
そう思った。
「あー!!見つけた!」
…げ、この声は、先生…
振り向くと、先生がぜーはー言いながら仁王立ちしていた。
お、怒られる…!