〖短編〗アオゾラ。―101ページの思い出―
「それじゃあ、一番から。」
1人1人番号をつけられ、順番にアカペラで歌っていった。
わたしは一番最後だ。
どの子もうまいっちゃうまいけど、いまいちピンとこない。
そして、わたしの番になった。
『…あの日から 何年過ぎたの?
私が幼すぎた あの日から
伝えられなかった思いが 今さら溢れ出す…』
歌い始めて、聞いていた軽音楽部の先輩の表情ががらりと変わった。
…どうしよう、みんなの前でわたしが歌っている。
もし落ちたら?
怖い。
わたしは歌以外なにもできない。
どうか、うかって…!