〖短編〗アオゾラ。―101ページの思い出―



「ひっ…!」


何とも情けない声を上げてしまった。




「オマエ…高条か?」




暗闇に浮かび上がった陰は、

一ノ瀬先輩のものだったことがようやくわかってくると、

わたしはあからさまにほっとした。



「よ、良かった…」




「なにがだよ。」



「いや、あの…お化けじゃなくてよかったなぁ、と思いまして。」




そう、じつはさっきからずっと怖かったのだ。



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