〖短編〗アオゾラ。―101ページの思い出―
「こ、ここです!!
あの、先輩、今日はありがとうございました!」
わたしがそういうと、先輩は昼間と同じ冷たい声で言った。
「…これで、貸し二つな。」
…貸し?
「なにがですか?」
「オイオイ、とぼけんなよ。
靴取り返してきてやったのが1つ、一緒に帰ったので1つだろ。
計二つ。
そんな計算もできねえのか。」
「ちょ、ちょっと待ってください!!
わたし頼んでません!」
「あ、優しくしてやったから、三つか。」
…この人、聞いてない。
「じゃあオマエは、オレの言うことを三つ、何でも聞かなきゃってわけだな。」
こんのぉ~~~~~~~~~~~~…!
「それってパシリって事じゃないですか!!」
「そうだけど?」
平然とした顔で…!
「~~~~っ分かりました!
それじゃ、お休みなさい!」
わたしはそういって、無理矢理玄関を閉めた。