〖短編〗アオゾラ。―101ページの思い出―
「良かったですね!!
先輩は好きな人と、両想いですよ!」
「え、ウソ…!?
ホントに…!?」
先輩は、心底うれしそうな顔を見せた。
「ハイ!!
わたしが言うんだから間違いありません!」
「ホントに両想い…
これ、夢…?」
「夢じゃないです!
さぁ、怖がらなくていいんですよ。
告白してきたらどうですか?」
「え、あ、うん…
けどさ、符和ちゃんなんであたしの好きな人わかったの?」
「見てれば、分かりますよ…」
だって、わたしも一ノ瀬先輩が好きなんだから。
「そっか、そんな態度出てたのか…」
「まぁ、確かにキーボード弾いてる姿はカッコいいですよね!!
背も高くて、顔立ちもよくて。
口は悪いですけど。」
「え…?」
「あ、心配しないでください!!
わたし一ノ瀬先輩のこと好きにならないですから!」
それじゃ!と言って、わたしは部室から逃げるように走って出て行った。