〖短編〗アオゾラ。―101ページの思い出―
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『皆さん!!
今日はありがとうございましたー!!』
ステージを降りる。
背後に、歓声をまとって。
すると、先輩が近付いてくる。
「おーおー、人気だな。」
「わたしがわふわふですーって言ったらもっと人気でるでしょ!!」
「そうですかねぇ…?」
「そうだよ!!
わふわふさんは、声以外の情報が一切ないからね!!」
「あ、そういえば…そうですね。」
「さーて、それじゃあ次のライブ行くか!!」
…え?
「ライブ、コレで終わりなんじゃ…」
「なに言ってんだ?
もう一つあるって昨日言ったろ。
オマエうんっつったじゃねーか。」
…あれ?
あ、そういえばそうだった。
なんでだろう、思い出せなかった。
「あ、なんの歌、でしたっけ…?」
「はぁ!?
オマエほんとに大丈夫か?
わふわふさん、お前の歌だろ。
『折り花』って。」
折り花…そうだ、わたしの歌。
「ホントに大丈夫?」
「スミマセン、少し疲れてるようで…」
「オイオイ、しっかりしろよ。
オマエ記憶力いいんじゃなかったのかよ?」
確かに、わたしの記憶力はいい。
前に先輩に沢山パシられたときも、全部覚えて買ってきた。
確かあのときは、13個のものをメモらずに買ったっけ。
なのに、ど忘れなんて…
よほど危ないな。
体調管理には気をつけよ。
そう思い、次のライブ会場に向かった。