〖短編〗アオゾラ。―101ページの思い出―
なのに。
「それじゃあ、俊との恋も、俊のことも忘れちゃうってことじゃん…!!
それで、いいの…っ!?」
ドキンッ
いいわけ、ない。
わたしだって、忘れたくない。
でも、若年性アルツハイマーを直す薬なんかない。
病気の進行を遅らせることはできても、完治は望めない。
「いいわけ、ないじゃないですか…」
「じゃあ、告白しなよっ!!
いつ俊のこと忘れてもおかしくないんだよ!?
だったら、さっさと告白しなきゃ!」
「でも、その場でフるって…」
「そんなん、当たって砕けろだよ!
断られても、何回もアタックしよ!!
応援するから!
最後の恋だもん、成就させなきゃ…ッ!!」
「あはは、なんで先輩がそんな必死になってるんですか。」
「だってだって…っ!!」
ホント、東先輩はいい先輩ですよ。
「告白…してみます!!
まだ一ノ瀬先輩は残ってますかね?」
「早っ!?
行動起こすのはやすぎ!!」
「探してきます!!」
「あっ…俊は3年1組だから!!」
「はいっ!!ありがとうございます!!」
わたしはそう言って駆け出した。