キケンな恋心
出会い
「お次の方、谷村 ミユちゃん!」
看護師が診察室のドアを開けて呼んだ。
沙也加は、ムスメのミユを抱えながら、診察室の中に入った。
谷村 沙也加(サヤカ)は、最近、この近くのマンションに引っ越してきたばかりの35歳の主婦。2人のムスメがいる4人家族。
沙也加は、長くて栗色の巻き髪。小顔でパッチリとした目。スラッとした身体によく似合うジーンズを履きこなしたエレガントな女性だ。
「どうされましたか?」
男性医師が尋ねる。
医師の名は小林 ヒロト。
48歳。彼もまた、家庭のある身だ。
1人でクリニックを経営し、ナースや事務員を合わせると10人程度のスタッフがいる。
「昨日の夜から、熱を出しまして......」
沙也加は、ぐったりしたミユを膝の上に座らせ、ヒロトが話を聞きながら、聴診器でミユの胸の音を聴く。
「大丈夫ですよ。胸の音も悪くないですし、風邪でしょう。薬を出しておきます」
「ありがとうございます......」
「もし、熱が下がらないようでしたら、また明後日にでも診せて下さい」
「はい。ありがとうございました」
2人の出会いは、医師と患者という、ごく日常的なモノにすぎなかった......ハズだった......
看護師が診察室のドアを開けて呼んだ。
沙也加は、ムスメのミユを抱えながら、診察室の中に入った。
谷村 沙也加(サヤカ)は、最近、この近くのマンションに引っ越してきたばかりの35歳の主婦。2人のムスメがいる4人家族。
沙也加は、長くて栗色の巻き髪。小顔でパッチリとした目。スラッとした身体によく似合うジーンズを履きこなしたエレガントな女性だ。
「どうされましたか?」
男性医師が尋ねる。
医師の名は小林 ヒロト。
48歳。彼もまた、家庭のある身だ。
1人でクリニックを経営し、ナースや事務員を合わせると10人程度のスタッフがいる。
「昨日の夜から、熱を出しまして......」
沙也加は、ぐったりしたミユを膝の上に座らせ、ヒロトが話を聞きながら、聴診器でミユの胸の音を聴く。
「大丈夫ですよ。胸の音も悪くないですし、風邪でしょう。薬を出しておきます」
「ありがとうございます......」
「もし、熱が下がらないようでしたら、また明後日にでも診せて下さい」
「はい。ありがとうございました」
2人の出会いは、医師と患者という、ごく日常的なモノにすぎなかった......ハズだった......
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