キケンな恋心
オードブルのホタテのカルパッチョが運ばれてきた。

「美味しい!」
沙也加が一口食べて、思わず笑みがこぼれた。


「ここ、美味しいでしょ?前に仕事の会合の後、同期の医者と来たんだ。男同士だから、華が無くってさ。谷村さんと一緒だと楽しいよ」


「本当ですか?......嬉しい......」


「メインは、お肉と魚のグリルとどっちにする?」


「んー?じゃぁ、お肉で」


「おっ!イイねぇ。以外と肉食系女子なんだ」
そう言ってヒロトは笑った。


「私、以外じゃなく、かなり肉食系女子ですよ!」
沙也加もそう言って笑ってみせた。


パスタは、手長海老のトマトソースだ。
「うん!このパスタも絶品!」
沙也加はシャンパンの酔いもまわり、緊張もほぐれ、ハイテンションになっていた。


そんな沙也加をヒロトは微笑みながら見ていた。


今夜の沙也加は黒の清楚な半袖のワンピースに白の総レースのカーディガンを羽織った上品な装いだ。


「ねぇ、デザート食べたら、銀座に行きつけのBARがあるんだけど飲み直さないか?」
今夜のヒロトも積極的だった。



「BARかぁ......結婚して以来、ずっと行ってないなぁ......是非!連れて行って下さい!」
そう言うと、沙也加はニコッとした。


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