キケンな恋心
......えっ?......付き合うって......わ、私が不倫?......



「......。」
沙也加はすぐに返事が出来なかった。



......哲司の顔が頭をよぎった......



......哲司は、気の利いた言葉も掛けてはくれないけれど、裏切られた事は一度もない......


......ムスメ達の顔がよぎった......アヤ、ミユ......ママは......ママは.....




......だけど、目の前にいる先生が、ヒロトが好きだ......どうしたら......私、どうしたら......いい?......



沙也加は何て返事をしたらいいか......俯いたままになってしまった......




「まっ、そう言う気持ちだってことだ」
ヒロトは、水割りを一気に飲み干した。



......私の気持ちを読み取ってくれたのね......




「また、デートしたいです......」
気付いたら、そう言葉を発していた......




「うん......また、来よう」




「先生?」




「ん?」




「......今夜、帰りたくない......です」






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