キケンな恋心
あれから数日が過ぎた。



沙也加は、いつもの様に育児と家事をこなし......哲司はいつもの様に仕事に追われ......


何一つ変わっていなかった。


沙也加の気持ちを除いては......


あれから、ヒロトから一度も連絡は来ていない......



......先生......どうして連絡くれないのかしら......私がいけなかったのかなぁ......
でも......自分から連絡する勇気が出ない......嫌われちゃったのかな......


沙也加は、掃除をしていても、お料理をしていても......うわの空だった......


「ママ!聞いてる?」
アヤが沙也加のエプロンを引っ張った。


「ん?ゴメンね。ママ、考え事してた。で、何?」



「だから、これ!」
アヤは一枚の紙を沙也加に手渡した。



「ん?......心電図の再検査?これ、学校で渡されたの?」



「うん。アヤね、学校の心電図の検査の時、動いちゃってやり直しだから、お母さんと何処か病院で取って来てください、って」



沙也加はアヤから受け取った用紙を見ながら、考え込み、
「明日、クリニックへ寄って検査してから学校に行きましょう」
と、アヤに言った。




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