キケンな恋心
翌朝



ミユを幼稚園へ送ると、沙也加はアヤを連れてクリニックへ行った。



「心電図の検査ですね。ちょっとお待ち下さい」
看護師の花岡が、受付けで言い、用意が出来るまで待合室にいた。



待っている間、沙也加は胸の鼓動が速まるのを感じていた。


......ヒロトに会える......でも、なんて話したらいいのだろう......どんな顔で会えばいいのだろう......


......会いたい......でも、でも......



沙也加の緊張は最高潮に達していた。


「谷村さん、どうぞ」
花岡に促され、診察室に入った。



「心電図、再検査だって?」
そこには、この間となんら変わらないヒロトの姿があった。何事もなかったかのように......


「あっ、は、はい。ムスメが......」
沙也加の緊張した張り詰めた声に、花岡が怪訝そうな顔を向けた。


「じゃぁ、ベッドに横になって」


......先生は......ヒロトは、どんな気持ちなんだろう......


「心電図、異常なしだね。学校の用紙に記入しておくから、受付けで受け取ってね」


「あっ、はい......」
沙也加は落胆した顔でアヤと診察室を出ようとした時......



「あっ、そうだ。お母さんはこの前の採血の結果を報告するから、残ってね」


「えっ?」


じゃぁ、と、仕方なく花岡はアヤを待合室へと一緒に診察室を出た。



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