キケンな恋心
罪悪感
約束の金曜日




沙也加はヒロトに指定された銀座の中華レストランに居た。



......哲司には、本当に申し訳ないけど......自分の気持ちを止められない......




沙也加は気持ちとは裏腹に、紫のアンサンブルに白のタイトスカートというちょっと大胆な服を着ていた。





「お待たせ」
ヒロトがいつもの様な微笑みで現れた。



「今夜はまた随分とセクシーな感じだな」


「そう?」


「今夜も美味い酒になりそうだな」
そういうと、ヒロトは紹興酒を頼んだ。



前菜の蒸し鶏とキクラゲの盛り合わせに、エビチリ、キノコのオイスターソース炒め、蟹の爪、海鮮のあんかけ......と、今夜もまた豪華な食事がコースで運ばれてきた。



「お腹いっぱい」
沙也加は胃をさすった。


......今夜、哲司は外食で済ますと言っていたが、きっと牛丼だろう......銀行員といえども贅沢は出来ない。沙也加はなんだか申し訳ない気持ちになってきた......



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