キケンな恋心
......私も割り切ろう......一線は超えていないんだし......それに、哲司だって女の子と食事に行くこともあるだろうし......



そう自分に言い聞かせながら、紹興酒を口にした。



「私も先生と一緒の時は飲みたい。またこの間の先生の行きつけのBARに連れて行ってください」


沙也加は罪悪感を心の隅に追いやり、晴れやかな気持ちで、飲み直したかった。


デザートの杏仁豆腐を食べ終わると、酔ったヒロトが沙也加の腰に手を回し、中華レストランを後にした。



BARまでは、同じ銀座なので歩きながら行くことにした。


夜の銀座は、不景気とはいえ、バーキンを持つ女性をエスコートする男性......まだ20代のいちゃつくカップル......50代のブランド物で身を包む数人の女性達......様々の人間模様を映し出している。



歩きながら、ヒロトはじょう舌に仕事の話をしていた。
沙也加はうん、うん、と頷きながらヒロトにもたれ掛かって歩いた。



目的地のBARにつき、重い扉を開けるとそこには....




花岡の姿があった......




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