キケンな恋心
30分後、「どうですか?」ヒロトがベッドサイドにやって来た。



「すみません......私まで......」
沙也加は気付かれない横に、涙を拭いながら、礼を言った。



「子供が具合が悪ければ、ママだって、寝ずの看病でしょう。そりぁ、疲れも溜まりますよ」
と、ヒロトは優しく微笑んだ。



沙也加は丁寧に礼を言い、クリニックを後にした。




帰宅し、ベッドにミユを寝かせた、沙也加はコーヒーを淹れていた。



先生......優しい方だわ......



そこへ、夫の哲司からの携帯のメール着信音が鳴った......



〈俺、今夜も取引先との接待で遅くなるから〉


はぁ......ミユの具合はどう?とか、一言くらいないのかしら......


沙也加はイラつきながら、メールを見た後に、また優しかったヒロトの顔を思い出していた......


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