キケンな恋心
偶然
えっ?な、な、なんで?......。


「大丈夫ですか?」
ぶつかった沙也加をいたわる、相変わらず、優しく冷静なヒロト......


「す、すみません!私、ちょっとよそ見しちゃってて......でも、先生は?もうクリニック終わっていますよね?」
沙也加は終了の札をもう一度見ながら尋ねた。



「あぁ。診察は終了したんですが、中でカルテ等の見直しやら、残業です」
と、笑いながら、答えた。
「ミユちゃん、回復されて、良かったですね」



「あっ、はい。その節は本当にありがとうございました」
そう言って、またペコリとお辞儀した。
「最近、ここに引っ越してきたばかりで、頼れる友達もいなくて......そんな時に、先生にご親切にして頂いて、本当に有難かったです......」



「そう?最近、引っ越して来たんですか!じゃぁ、そんな時じゃぁ、余計に心細かったでしょうね」



......な、なんて優しい......社交辞令かもしれないけど......嬉しい......
「あっ、......はい......」


「あの......」
な、なんか、言わなきゃ!なんか言いたい!


「あの.....こ、今度、お礼にお食事でも......」
!な、何言ってんだ、私......!!



「いいですねぇ。是非ご一緒に」



......ん?!い、今、なんて?......



「えっ?いいん......ですか?」


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