キケンな恋心
夜遅くに、夫の哲司は帰宅した。


沙也加が寝室から眠たそうに起きてきて、
「夕食は?まだ?」
と聞きながら、キッチンに向かうと



「外で済ませてきた。風呂入って寝るよ」
と哲司は素っ気なく答えた。



......はぁ。先生とは大違いだわ......折角、起きてきたのに......



......あっ、それより、先生からメールとかきてないかな......
沙也加は哲司がお風呂に入ったのを確認してから、メールをチェックした。


......まだ、ないかぁ。......今日の今日だもんね......



沙也加は携帯を置き、寝室に戻った。



翌朝



「アヤー!忘れ物ない?気を付けてね!」
沙也加が玄関から、学校へ向かうアヤを送り......



「ミユー!そろそろ、幼稚園へ行くわよ!」
ミユと玄関で靴を履きながら、慌てて、
「あっ、ママ、携帯忘れたから、取ってくるわね!」



......あー、もう、急いでいる時に私ってそそっかしいわ!......
携帯を手にし、玄関に向かおうとしたら......



......ん?着信ランプついてる?......
そっと携帯を弄ると、着信メールがあった。



......あれ?......知らないアドレスだわ......
恐る恐る、沙也加はメールを開いた。



《夜分に失礼します。早速ですが、もし良ければ明日の夜にでも、食事に行きませんか?小林ヒロト》


......うっ、嘘⁇......マ、マジですか......



その日の夜



沙也加は、表参道のイタリアンレストランにいた......




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