コイノマエ




「怒られたってゆーか…
クローゼット片付けちゃいなさいって…」





「クローゼット?
あー…かのんって昔っから余計なものクローゼットにしまう癖あるよね」



「要らないものじゃないのー!

全部大事な思い出なんだから…」



そう、私は昔の物が捨てられないのだ。

だから片付けちゃいなさいなーんてお母さんに言われても全部私にとっては大事な物。



一つ捨てるのだって難しい。





「そんな貴重な物入ってるように見えないけどねー私には」



そう言ってお姉ちゃんが部屋の中に入ってくる



「どれどれー?

…何これ……」



「幼稚園の時に書いた絵!

先生に誉められたから嬉しくて捨てられなくって!」



「…じゃあこれは?」



「それは小学校の時に使った算数セット!

おはじきとか懐かしくない?」



「…懐かしい。けど、

要らない!大体何に使うの!」



「だからーこうやってたまに見て懐かしいなーってするの!」



「そんなに懐かしみたいなら写メでもとって捨てちゃいなさいよ!

もー…かのんって本当に………あれ?」



お姉ちゃんの開いた口が止まる




「…何?どしたの?」



「良いものみっけ!」



「何?って…アルバム?



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