御劔 光の風3
それを堪えるように拳を作った右手は何度も揺れて力を入れている。
何故自分を制したのか理由は本人にも分からなかったが、その場から動けなかったのは確かだ。
「そこで何をしている?」
正体の分からない声に尋ねられ、貴未と日向は初めて周りを囲まれていることに気付いた。
「ここは何もない所、こんな場所に何の用だ?」
一瞬構えたがそれも声の主が分かるまでだった、見覚えのある人物に貴未は思わず足を前に踏み出す。
「…長っ!」
長と呼ばれた老人は目を凝らして貴未を見た。
「私です、未禄(みろく)の子、貴未です!」
胸に手をあて名を名乗る、貴未はすがるような思いで目の前にいる老人に訴えた。
その目に覚えがあるのか名乗られた名をもう一度呟くと長の表情が少しずつ変わっていく。
「貴未?…おお貴未か!」
長は両腕を広げ全身で貴未を受け入れた。
貴未も迷わず長に飛び込んでいく。二人は抱き合い、そしてお互いの顔を確認しあった。
久しぶりに見る姿でも変化を数える前にただただ心の動くままに瞳が揺れる。
何故自分を制したのか理由は本人にも分からなかったが、その場から動けなかったのは確かだ。
「そこで何をしている?」
正体の分からない声に尋ねられ、貴未と日向は初めて周りを囲まれていることに気付いた。
「ここは何もない所、こんな場所に何の用だ?」
一瞬構えたがそれも声の主が分かるまでだった、見覚えのある人物に貴未は思わず足を前に踏み出す。
「…長っ!」
長と呼ばれた老人は目を凝らして貴未を見た。
「私です、未禄(みろく)の子、貴未です!」
胸に手をあて名を名乗る、貴未はすがるような思いで目の前にいる老人に訴えた。
その目に覚えがあるのか名乗られた名をもう一度呟くと長の表情が少しずつ変わっていく。
「貴未?…おお貴未か!」
長は両腕を広げ全身で貴未を受け入れた。
貴未も迷わず長に飛び込んでいく。二人は抱き合い、そしてお互いの顔を確認しあった。
久しぶりに見る姿でも変化を数える前にただただ心の動くままに瞳が揺れる。