御劔 光の風3
「どういう事なの?彼はもう…っ。」

信じられないと呟くマチェリラにカルサは静かに首を振った。

「太古の因縁はまだ終わってはいない。」

そう言い残すとカルサは立ち上がり窓辺に向かった。

やはり何度見ても今日は天気がいい。

「マチェリラ、裁判者を知ってるか?」

「裁判者…スターレンの事?」

思い出すように目を細めてマチェリラは答えた。

背中で問いかけていたカルサは振り返り、そうだと笑う。

その表情はどこまでも切なそうで、それはマチェリラにも分かった。

「今の錠は俺だってさ。」

その言葉にマチェリラは目を見開き口を開けた。

驚きと共にきた脱力感、カルサの言葉の意味をマチェリラは十分すぎる程に理解したのだ。

「人柱。」

そう呟いたのはどっちだったか、いつのまにかカルサの横に光る竜が現れていた。

黄金の羽をもつ竜。

カルサは右手を上げ、そこに乗るように竜を促した。

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