御劔 光の風3
「私はオフカルスのあの出来事の後、未来へと飛ばされた。」
口を開いたマチェリラに貴未は目を向けた。
彼女はさっきまでの貴未と同じ様に、湖の中の竜を見つめたまま話を続ける。
驚くべきは彼女の声の低さと、頬を伝う涙だった。
「身も心もぼろぼろで、生きる気力なんてなかった。草村に横たわって…もう涙だけが生きる証だったの。」
しかし実際はそれでさえも無感覚だった、そう言うとマチェリラは身体を宙に浮かせ湖の真上へと向かった。
「マチェリラ!?」
その行動の意味が分からない貴未は反射的に彼女の名を呼ぶ。
マチェリラは顔だけを振り向かせて微笑むと、竜に向かって下りていった。
それは湖に入るということだ。
「マチェリラ!!」
貴未の叫ぶ声が洞窟内に響く、水の中に入ったマチェリラが竜に触れた瞬間、竜は眩しい光を勢い良く放ち貴未は反射的に顔を逸らして腕で目を隠した。
光が溢れる中で水が跳ねる音が聞こえてくる。
腕を避け、湖の方に視線を戻した貴未は思わず息を飲んだ。
そこには湖から身体を出し貴未を見ている竜がいたのだ。
口を開いたマチェリラに貴未は目を向けた。
彼女はさっきまでの貴未と同じ様に、湖の中の竜を見つめたまま話を続ける。
驚くべきは彼女の声の低さと、頬を伝う涙だった。
「身も心もぼろぼろで、生きる気力なんてなかった。草村に横たわって…もう涙だけが生きる証だったの。」
しかし実際はそれでさえも無感覚だった、そう言うとマチェリラは身体を宙に浮かせ湖の真上へと向かった。
「マチェリラ!?」
その行動の意味が分からない貴未は反射的に彼女の名を呼ぶ。
マチェリラは顔だけを振り向かせて微笑むと、竜に向かって下りていった。
それは湖に入るということだ。
「マチェリラ!!」
貴未の叫ぶ声が洞窟内に響く、水の中に入ったマチェリラが竜に触れた瞬間、竜は眩しい光を勢い良く放ち貴未は反射的に顔を逸らして腕で目を隠した。
光が溢れる中で水が跳ねる音が聞こえてくる。
腕を避け、湖の方に視線を戻した貴未は思わず息を飲んだ。
そこには湖から身体を出し貴未を見ている竜がいたのだ。