御劔 光の風3
ただ吐く息の白さだけが彼の呼吸を表していた。
「…俺に知られてどんな気持ち?」
それは上からでも遠慮からでもない、カルサの本心が聞きたい素直な疑問だった。
それはカルサにも伝わったようで、腕を組んだ指先が僅かな反応を示す。
「…恐い。」
少し怯えるような表情でカルサは貴未に今の心境を伝えた。
勿論それは貴未にとって予想外の答えで、尋ねたわりにどう反応していいか分からず何も言えずにただカルサを見ていた。
「策士が手の内を証されているようだ。自分を繕うものがない。」
次いで聞かされる本心、何の用意もなかった貴未は驚いたまま彼の気持ちを知ることで精一杯だった。
自分の腕をしっかりと掴み、自分という舵を感情という波にとられない様に足掻いているようだ。
そこまでして戦わなくてもいいのに、貴未の胸の内で声が漏れる。
こんなカルサを見るのは初めてだった。
「貴未ならどうした?」
「え?」
突然の質問に思わず聞き返してしまうが、内容はちゃんと聞き取れている。
「…俺に知られてどんな気持ち?」
それは上からでも遠慮からでもない、カルサの本心が聞きたい素直な疑問だった。
それはカルサにも伝わったようで、腕を組んだ指先が僅かな反応を示す。
「…恐い。」
少し怯えるような表情でカルサは貴未に今の心境を伝えた。
勿論それは貴未にとって予想外の答えで、尋ねたわりにどう反応していいか分からず何も言えずにただカルサを見ていた。
「策士が手の内を証されているようだ。自分を繕うものがない。」
次いで聞かされる本心、何の用意もなかった貴未は驚いたまま彼の気持ちを知ることで精一杯だった。
自分の腕をしっかりと掴み、自分という舵を感情という波にとられない様に足掻いているようだ。
そこまでして戦わなくてもいいのに、貴未の胸の内で声が漏れる。
こんなカルサを見るのは初めてだった。
「貴未ならどうした?」
「え?」
突然の質問に思わず聞き返してしまうが、内容はちゃんと聞き取れている。