御劔 光の風3
「貴未が俺なら、どうした?」
カルサは貴未の方を見ずに同じ言葉を繰り返した。
カルサの言葉の意味を探ったが深く考えても見えてくるものではない、そう悟った貴未はすぐに止めて自分の素直な意見を口にすることにした。
ほんの少しの勇気を添えて。
「死んでた。」
貴未の声で二人の時間だけが止まったようだった。
カルサの目が大きく開いたのが見える、彼の指先に力が入っていくのも分かった。
「俺がカルサだったら死んでたよ。きっと。」
その言葉は何気ない会話の一部みたいに軽く転がるように降ってきた、しかしカルサには鋭く尖ったものが突き刺さるように感じられる。
貴未が一歩、カルサとは反対の方である塔の麓側に足を進めた瞬間にカルサは貴未の名を呼び立ち上がろうとする。
しかしその声は貴未の言葉に遮られた。
「きっと身体は生かされたまま、心だけ死んでいったと思う。」
そう言うと背を向けていた貴未は振り返り、中途半端に身体を起こしたまま固まっているカルサを見つめる。
ようやく二人の視線がしっかりと交わった。
カルサは貴未の方を見ずに同じ言葉を繰り返した。
カルサの言葉の意味を探ったが深く考えても見えてくるものではない、そう悟った貴未はすぐに止めて自分の素直な意見を口にすることにした。
ほんの少しの勇気を添えて。
「死んでた。」
貴未の声で二人の時間だけが止まったようだった。
カルサの目が大きく開いたのが見える、彼の指先に力が入っていくのも分かった。
「俺がカルサだったら死んでたよ。きっと。」
その言葉は何気ない会話の一部みたいに軽く転がるように降ってきた、しかしカルサには鋭く尖ったものが突き刺さるように感じられる。
貴未が一歩、カルサとは反対の方である塔の麓側に足を進めた瞬間にカルサは貴未の名を呼び立ち上がろうとする。
しかしその声は貴未の言葉に遮られた。
「きっと身体は生かされたまま、心だけ死んでいったと思う。」
そう言うと背を向けていた貴未は振り返り、中途半端に身体を起こしたまま固まっているカルサを見つめる。
ようやく二人の視線がしっかりと交わった。