御劔 光の風3
その一部始終をカルサに告げた時はやはり彼もまた目を細めて何かに耐えるように口元に力を入れていた。
カルサにとってナータックは唯一無二の側近だったということを目の当たりにした瞬間でもあったのだ。
もしもの時が来なければいいとハワード自身もどれだけ願っただろうか、しかし残酷にもその時は訪れてしまった。
そしてナータックの意思を汲み今日この時をもってエプレットがカルサの新しい側近として配属されることになったのだ。
ハワードが執務室から去ったあと、初めて二人きりになったエプレットは妙な沈黙に包まれて落ち着きのない時間を過ごすことになった。
カルサはそのまま執務に戻り、手持無沙汰なエプレットは緊張したまま自分の一番最初にやるべきことを考えている。
いまやれることがあるとしたら部屋の造りや様子を頭に入れることだ。
いくつも書物が並べられているがその羅列も覚えていかなければいけない。
何気なく部屋の中を見回していると、まるで救いの手が差し伸べられたかのように来客を知らせる音が響いた。
一応の、そんな言葉が似合うくらい短い音が鳴ると中にいる者が答える前に入ってきた人物はサルスだった。
「お?さっそくいるね、エプレット。」
「サルスパペルト殿下!」
カルサとは対照的ににこやかな笑顔と雰囲気で迎えてくれたサルスにエプレットは自然と笑みがこぼれる。
本来ナータックからはサルスの役に立つようにと言われながら過ごしてきたのだ。
目指し続けた人物が目の前にいると思うと気分も高揚する。
カルサにとってナータックは唯一無二の側近だったということを目の当たりにした瞬間でもあったのだ。
もしもの時が来なければいいとハワード自身もどれだけ願っただろうか、しかし残酷にもその時は訪れてしまった。
そしてナータックの意思を汲み今日この時をもってエプレットがカルサの新しい側近として配属されることになったのだ。
ハワードが執務室から去ったあと、初めて二人きりになったエプレットは妙な沈黙に包まれて落ち着きのない時間を過ごすことになった。
カルサはそのまま執務に戻り、手持無沙汰なエプレットは緊張したまま自分の一番最初にやるべきことを考えている。
いまやれることがあるとしたら部屋の造りや様子を頭に入れることだ。
いくつも書物が並べられているがその羅列も覚えていかなければいけない。
何気なく部屋の中を見回していると、まるで救いの手が差し伸べられたかのように来客を知らせる音が響いた。
一応の、そんな言葉が似合うくらい短い音が鳴ると中にいる者が答える前に入ってきた人物はサルスだった。
「お?さっそくいるね、エプレット。」
「サルスパペルト殿下!」
カルサとは対照的ににこやかな笑顔と雰囲気で迎えてくれたサルスにエプレットは自然と笑みがこぼれる。
本来ナータックからはサルスの役に立つようにと言われながら過ごしてきたのだ。
目指し続けた人物が目の前にいると思うと気分も高揚する。