御劔 光の風3
「ナータックはここの机を使っていた。私は向かいの席だ。必要なものは揃っている筈だから確認しておいて。そんなに畏まらなくても大丈夫だから。」
取って食いはしないと高らかに笑い、カルサの机に大量の書類を積み上げてサルスは自席に着いた。
「鬼かお前は。」
書類の山を目の端で捉えカルサが低い声で恨み節を呟く、サルスはしっかりとそれを拾い上げてリボンを付けて送り返した。
「褒め言葉どうも。」
これが二人の日常会話なのだと、初めて見る近い距離の二人に驚いたが同時に張りつめていた緊張も解けたのが分かった。
確かに一人だけ畏まっていては浮いてしまうだけだ。
「主人が過ごしやすいようにするのも役割の一つだ。」
まずは何をすべきか冷静な気持ちで考えてナータックの教えを思い出す。
最初は緊張の連続で大変だったと笑うナータックは過去の自分を恥ずかしがりながらも話してくれた。
大丈夫、ナータックも通った道だ。
話を聞いている分、やりやすくなっている筈だとエプレットは自分を盛り上げる。
状況把握は迅速に、またもナータックの言葉を思い出して顔をあげた。
「陛下、殿下。少し室内を確認しても宜しいでしょうか。」
今までとの声色の違いにカルサは気が付いた。
取って食いはしないと高らかに笑い、カルサの机に大量の書類を積み上げてサルスは自席に着いた。
「鬼かお前は。」
書類の山を目の端で捉えカルサが低い声で恨み節を呟く、サルスはしっかりとそれを拾い上げてリボンを付けて送り返した。
「褒め言葉どうも。」
これが二人の日常会話なのだと、初めて見る近い距離の二人に驚いたが同時に張りつめていた緊張も解けたのが分かった。
確かに一人だけ畏まっていては浮いてしまうだけだ。
「主人が過ごしやすいようにするのも役割の一つだ。」
まずは何をすべきか冷静な気持ちで考えてナータックの教えを思い出す。
最初は緊張の連続で大変だったと笑うナータックは過去の自分を恥ずかしがりながらも話してくれた。
大丈夫、ナータックも通った道だ。
話を聞いている分、やりやすくなっている筈だとエプレットは自分を盛り上げる。
状況把握は迅速に、またもナータックの言葉を思い出して顔をあげた。
「陛下、殿下。少し室内を確認しても宜しいでしょうか。」
今までとの声色の違いにカルサは気が付いた。