御劔 光の風3
「これは結界石の原石よ。」
まばゆい光を放ち確かな存在を示している、紅は正体を聞かされてもまだ信じられなかった。
遠征部隊の役目は結界石の力を借りて国の至る所に結界を作ることだ。
いつも手にしていた結界石の原石がまさかこれほどまでに大きく、美しいものとは思いもしない。
掌で転がせるくらいの大きさでもかなりの力を持つ結界石なのだ、その原石が大きな塊で目の前にある状況なんて誰が考えただろうか。
結界石の存在の強さに紅は扉を開け放ったまま、敷居を跨いで中に入ることが出来なかった。
「この原石に力を与えれば他の結界石も相乗効果を与えられる。紅、この国にもし何かあったらこれを使いなさい。」
振り向いたナルの顔は今までに見た事がないくらい真剣だった。
心臓を捕らえられているように身動きがとれない。
紅は何の返事も出来ず、ただ立ち尽くしていた。
時を同じくして本棟の奥、カルサの執務室に小さな音が響いた。
「失礼致します、陛下。特殊部隊長、黒大寺聖です。」
扉を叩く音にレプリカの手が止まる。
まばゆい光を放ち確かな存在を示している、紅は正体を聞かされてもまだ信じられなかった。
遠征部隊の役目は結界石の力を借りて国の至る所に結界を作ることだ。
いつも手にしていた結界石の原石がまさかこれほどまでに大きく、美しいものとは思いもしない。
掌で転がせるくらいの大きさでもかなりの力を持つ結界石なのだ、その原石が大きな塊で目の前にある状況なんて誰が考えただろうか。
結界石の存在の強さに紅は扉を開け放ったまま、敷居を跨いで中に入ることが出来なかった。
「この原石に力を与えれば他の結界石も相乗効果を与えられる。紅、この国にもし何かあったらこれを使いなさい。」
振り向いたナルの顔は今までに見た事がないくらい真剣だった。
心臓を捕らえられているように身動きがとれない。
紅は何の返事も出来ず、ただ立ち尽くしていた。
時を同じくして本棟の奥、カルサの執務室に小さな音が響いた。
「失礼致します、陛下。特殊部隊長、黒大寺聖です。」
扉を叩く音にレプリカの手が止まる。