御劔 光の風3
「そうだな。」

聖の質問にサルスは寂しげに微笑むだけで何も答えようとはしなかった。

自分の中で決めかねているからか、それとも話したくはないのかは彼の態度から読めない。

「まだ仕事が大量に残っている。悪いけど専念させてくれないかな。」

どちらにせよこれ以上の会話を続けるつもりは無いらしい。

控えめな態度でも拒絶する意思はハッキリと伝わり、聖は何も言えなくなった。

「分かった。ほな行くわ。」

了承の声をもらすと聖は部屋から出ていく。

部屋には微妙な空気が流れ何か話した方がいいのか、話すにしても何を言えばいいのかレプリカには分からなかった。

「レプリカ、君も下がっていい。」

覚悟はしていたが退室の命にレプリカは戸惑いを隠せなかった。

しかしサルスはいつものように穏やかな微笑み見せて心配ないと訴えている。

「こっちは大丈夫だから仕事に戻ってくれ。」

何か伝えたくて身体が反射的に動いたが瞬間的に本能がそれを制止した。

伝えたくても言葉にならない、伝えていいのかも分からない。

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