御劔 光の風3
その瞬間。
我に返ったようにいつもの雰囲気を持ったサルスに戻った。
「…あ。」
今何があったのか、次第に息は荒くなり手で口を覆う。
目はどこを見ていいのか分からずに忙しく部屋中を彷徨い続けた、彼は動揺していた。
落ち着く場所を探し出せない瞳は微かに潤いを帯びているようにも見える。
勢い良く立ち上がり近くにあった鏡に掴みかかるように手をついて自分の姿を映した。
そこに映っているのは間違いなく自分、顔面蒼白の取り乱したサルスパペルトだ。
安心したのも束の間、すぐに表情がこわばり鏡の向こうの自分と共にゆっくりと崩れ落ちていく。
床に座り込んで鏡に両手をついたまま呟いた。
「大丈夫だ。大丈夫だ。…俺はっ。」
俯いたまま顔は上げない、というよりも上げられなかった。
何度も何度も大丈夫だと繰り返し呟き、呪文のように自身を諭す。
消えてしまいそうな切ない声はしばらくの間ずっと部屋の中に響いていた。
我に返ったようにいつもの雰囲気を持ったサルスに戻った。
「…あ。」
今何があったのか、次第に息は荒くなり手で口を覆う。
目はどこを見ていいのか分からずに忙しく部屋中を彷徨い続けた、彼は動揺していた。
落ち着く場所を探し出せない瞳は微かに潤いを帯びているようにも見える。
勢い良く立ち上がり近くにあった鏡に掴みかかるように手をついて自分の姿を映した。
そこに映っているのは間違いなく自分、顔面蒼白の取り乱したサルスパペルトだ。
安心したのも束の間、すぐに表情がこわばり鏡の向こうの自分と共にゆっくりと崩れ落ちていく。
床に座り込んで鏡に両手をついたまま呟いた。
「大丈夫だ。大丈夫だ。…俺はっ。」
俯いたまま顔は上げない、というよりも上げられなかった。
何度も何度も大丈夫だと繰り返し呟き、呪文のように自身を諭す。
消えてしまいそうな切ない声はしばらくの間ずっと部屋の中に響いていた。