御劔 光の風3
こんな所を誰かに見られる訳にはいかない、そうして帰したレプリカだった。
ここ最近で一緒に過ごす事が多くなった彼女にさえ知られていない、サルスの僅かな変化。
何にも知らないレプリカだが、何かを感じているのは確かだった。
軽い胸騒ぎを感じながらも執務室から離れて仕事に戻る。
前方から歩いてくる老大臣ハワードに気付き、道を譲って端に移動すると丁寧に頭を下げた。
譲らねばいけない程狭い訳ではない、余裕で何人も横に並んで歩けるくらいに広い廊下だがそれが習わしだった。
「レプリカ、だったか。」
いつも通りに頭を下げて通り過ぎていくのを待っていると視界の中に黒い靴が見えて止まる。
ふいにかけられた声に驚き、戸惑いながらも下げた頭を更に深くして答えた。
「は…はい、レプリカにございます。」
頷きの声を出した後、ハワードはただセーラを見ているだけで何も話そうとはしなかった。
少し間を置いても次の言葉が出ない大臣を不思議に思い、頭は下げているもののレプリカは上目遣いで様子を伺ってみる。
何か余計なことをしてしまったのだろうか、叱られるようなことはあっても褒められることはない仕事だ。
ここ最近で一緒に過ごす事が多くなった彼女にさえ知られていない、サルスの僅かな変化。
何にも知らないレプリカだが、何かを感じているのは確かだった。
軽い胸騒ぎを感じながらも執務室から離れて仕事に戻る。
前方から歩いてくる老大臣ハワードに気付き、道を譲って端に移動すると丁寧に頭を下げた。
譲らねばいけない程狭い訳ではない、余裕で何人も横に並んで歩けるくらいに広い廊下だがそれが習わしだった。
「レプリカ、だったか。」
いつも通りに頭を下げて通り過ぎていくのを待っていると視界の中に黒い靴が見えて止まる。
ふいにかけられた声に驚き、戸惑いながらも下げた頭を更に深くして答えた。
「は…はい、レプリカにございます。」
頷きの声を出した後、ハワードはただセーラを見ているだけで何も話そうとはしなかった。
少し間を置いても次の言葉が出ない大臣を不思議に思い、頭は下げているもののレプリカは上目遣いで様子を伺ってみる。
何か余計なことをしてしまったのだろうか、叱られるようなことはあっても褒められることはない仕事だ。