御劔 光の風3
「陛下、違う。…か。」
ナータックが一体何を見て聞いて、何を伝えたかったのか。それは彼が目覚めない限り誰にも分からない事。しかし彼は深い眠りに落ちたまま戻ってはこない。
「千羅、リュナはどうした?」
いくら考えても仕方ないと、目の前の事に意識を向けるべく千羅に尋ねた。リュナの姿がどこにもない。
「分かりません。が、おそらくレプリカを見付けたのではないかと。」
「サルスも聖も紅もいない。それに…。」
珍しくカルサの言葉が途絶え、不思議に思い千羅は彼を呼んだ。
「皇子?」
「さっきの爆発、東の塔って結界石の所からじゃなかったか?」
自然と二人の足が止まりカルサの表情に迷いが見え始める。このまま、リュナを優先して進んでいいのか。
しかし先に進まなければただ防戦一方になるだけ、それは目に見えている。それぞれの思惑がこの襲撃を利用して開花され、突き進んでいるような気がした。
大きく付けられた傷が痛む。
そんなカルサに手を差し伸べるように不意にカルサの目の前に光の精霊・桂が姿を現した。
「桂?」
桂は軽く頷くと、そのままカルサをじっと見つめ次第にカルサに微笑みが戻る。
「そうか、頼む。」
カルサの言葉に桂は姿を消した。カルサは振り向き、不思議そうな顔をしている千羅に口を開いた。
「桂が、風の精霊・社を探してくれるらしい。」
「そうですか。では、榎にも協力してもらった方がいいですね。」
「地の精霊か、そうだな。」
カルサの言葉に頷くと、千羅は屈み床に手を当て彼を呼び出す。
「榎。」
ナータックが一体何を見て聞いて、何を伝えたかったのか。それは彼が目覚めない限り誰にも分からない事。しかし彼は深い眠りに落ちたまま戻ってはこない。
「千羅、リュナはどうした?」
いくら考えても仕方ないと、目の前の事に意識を向けるべく千羅に尋ねた。リュナの姿がどこにもない。
「分かりません。が、おそらくレプリカを見付けたのではないかと。」
「サルスも聖も紅もいない。それに…。」
珍しくカルサの言葉が途絶え、不思議に思い千羅は彼を呼んだ。
「皇子?」
「さっきの爆発、東の塔って結界石の所からじゃなかったか?」
自然と二人の足が止まりカルサの表情に迷いが見え始める。このまま、リュナを優先して進んでいいのか。
しかし先に進まなければただ防戦一方になるだけ、それは目に見えている。それぞれの思惑がこの襲撃を利用して開花され、突き進んでいるような気がした。
大きく付けられた傷が痛む。
そんなカルサに手を差し伸べるように不意にカルサの目の前に光の精霊・桂が姿を現した。
「桂?」
桂は軽く頷くと、そのままカルサをじっと見つめ次第にカルサに微笑みが戻る。
「そうか、頼む。」
カルサの言葉に桂は姿を消した。カルサは振り向き、不思議そうな顔をしている千羅に口を開いた。
「桂が、風の精霊・社を探してくれるらしい。」
「そうですか。では、榎にも協力してもらった方がいいですね。」
「地の精霊か、そうだな。」
カルサの言葉に頷くと、千羅は屈み床に手を当て彼を呼び出す。
「榎。」