御劔 光の風3
えのき、という声に反応し地鳴りをたてながら床から小さな地の塔が現れた。よく見ると獣の顔つきをしている。
「榎、協力してほしい。サルスを探してくれないか。」
少しの間の後、千羅のお礼の声が聞こえて榎は再び大地に戻っていった。
千羅は身体を起こしカルサに向き合う。これでリュナとサルスは手を打った、それぞれの門は瑛琳に任せてある。あと残るのは。
「あとは聖と紅ですね。」
「どこかで交戦しているのかもしれない。」
彼らの方にはその可能性が一番当てはまった。しかし、ナルの一件を考えると紅は生きているかも分からない。
「千羅、ナルは?」
「地下の祭壇に。ラファルがついてくれています。」
千羅の声と共に思いを馳せた。まだすぐには行けない、だけど代わりにラファルがついてくれている。少なくとも今、あの優しい場所にナルはいる。
それだけでカルサは救われた。
「そうか。」
一人では抱えきれないことが、次々と仲間の力を借りて拾っていける。
「皇子、もう一度この城周りに結界を。」
「ああ。」
千羅の声に頷き、カルサは結界の為に自らの力を解放した。その波動は空気を震わせ大地も揺らす。
それは遠く離れた場所にも影響を及ぼし、なんの前触れもない突然の衝撃に思わず身体が揺れてリュナは態勢を崩しそうになった。
「何!?」
後ろを振り返っても誰の姿もない。リュナは慎重に辺りを探り、そして今の振動の正体に気付く。
「榎、協力してほしい。サルスを探してくれないか。」
少しの間の後、千羅のお礼の声が聞こえて榎は再び大地に戻っていった。
千羅は身体を起こしカルサに向き合う。これでリュナとサルスは手を打った、それぞれの門は瑛琳に任せてある。あと残るのは。
「あとは聖と紅ですね。」
「どこかで交戦しているのかもしれない。」
彼らの方にはその可能性が一番当てはまった。しかし、ナルの一件を考えると紅は生きているかも分からない。
「千羅、ナルは?」
「地下の祭壇に。ラファルがついてくれています。」
千羅の声と共に思いを馳せた。まだすぐには行けない、だけど代わりにラファルがついてくれている。少なくとも今、あの優しい場所にナルはいる。
それだけでカルサは救われた。
「そうか。」
一人では抱えきれないことが、次々と仲間の力を借りて拾っていける。
「皇子、もう一度この城周りに結界を。」
「ああ。」
千羅の声に頷き、カルサは結界の為に自らの力を解放した。その波動は空気を震わせ大地も揺らす。
それは遠く離れた場所にも影響を及ぼし、なんの前触れもない突然の衝撃に思わず身体が揺れてリュナは態勢を崩しそうになった。
「何!?」
後ろを振り返っても誰の姿もない。リュナは慎重に辺りを探り、そして今の振動の正体に気付く。