御劔 光の風3
「カルサ?」
カルサの力に包まれていく感覚、彼が結界を張ったのだとすぐに分かった。大地や大気を揺るがす力、これほどまでの力をカルサは持っている。
「これが皇帝の力…?」
そう呟いた後、少し考えこんで首を横に振り気持ちを切り替えた。そうではない、こんなことで使うような力ではなかったと自身の考えを改めて短く息を吐く。
そして胸の前で手を合わせて風を生み、何かの気配を察知したのかリュナは顔を上げて一方向を見つめた。
「こっちね。」
風を打ち消しリュナは再び走り出す。ほんの数時間前までは起きることもままならない様子だったのに、今ではそんな事を全く感じさせなかった。
彼女が走る道はいつもと変わらない姿、しかし窓の外は戦火に包まれている。
リュナは風を感じながら心を締め付けられるような思いだった。悲鳴が聞こえる、命の燈が消えていくのを感じる。
もし彼らの目的である真実が自分の事であったら、もし自分の存在が戦いの火種となっていたのなら。自分はどうしたらいいのだろうか。
自分の知らない真実がレプリカの中にあるというのなら、それを突きとめなければならない。リュナはレプリカを求めて走っていた。
レプリカを包む風は人とは違う、それを探し求めることはリュナにとってわけない事だ。間違いなくこの道の先、行き着く場所に彼女がいる。
一刻も早く真実を掴みたい、腕を振り必死にレプリカを目指してリュナは走り続けた。
やがて視野の中に入り込む有り得ない姿を確認すると目を細めて表情を歪める。
「こんな所にまで。」
リュナの振りかざした手から風が生まれ魔物たちを切り裂いていく。単体ではなく進む程に数を増していく魔物たち、信じがたい光景にリュナの足も止まってしまった。
魔物が多くこの場にいるのもそうだが、この先にレプリカがいるのだとしたら。いま彼女はライムとの戦いで受けた傷がある、とてもじゃないけどいつもの様に戦えるとは思えなかった。
カルサの力に包まれていく感覚、彼が結界を張ったのだとすぐに分かった。大地や大気を揺るがす力、これほどまでの力をカルサは持っている。
「これが皇帝の力…?」
そう呟いた後、少し考えこんで首を横に振り気持ちを切り替えた。そうではない、こんなことで使うような力ではなかったと自身の考えを改めて短く息を吐く。
そして胸の前で手を合わせて風を生み、何かの気配を察知したのかリュナは顔を上げて一方向を見つめた。
「こっちね。」
風を打ち消しリュナは再び走り出す。ほんの数時間前までは起きることもままならない様子だったのに、今ではそんな事を全く感じさせなかった。
彼女が走る道はいつもと変わらない姿、しかし窓の外は戦火に包まれている。
リュナは風を感じながら心を締め付けられるような思いだった。悲鳴が聞こえる、命の燈が消えていくのを感じる。
もし彼らの目的である真実が自分の事であったら、もし自分の存在が戦いの火種となっていたのなら。自分はどうしたらいいのだろうか。
自分の知らない真実がレプリカの中にあるというのなら、それを突きとめなければならない。リュナはレプリカを求めて走っていた。
レプリカを包む風は人とは違う、それを探し求めることはリュナにとってわけない事だ。間違いなくこの道の先、行き着く場所に彼女がいる。
一刻も早く真実を掴みたい、腕を振り必死にレプリカを目指してリュナは走り続けた。
やがて視野の中に入り込む有り得ない姿を確認すると目を細めて表情を歪める。
「こんな所にまで。」
リュナの振りかざした手から風が生まれ魔物たちを切り裂いていく。単体ではなく進む程に数を増していく魔物たち、信じがたい光景にリュナの足も止まってしまった。
魔物が多くこの場にいるのもそうだが、この先にレプリカがいるのだとしたら。いま彼女はライムとの戦いで受けた傷がある、とてもじゃないけどいつもの様に戦えるとは思えなかった。