御劔 光の風3
目の前でうごめく魔物の群れにリュナは臆しない。守らなければ、いまレプリカを救えるのは自分しかいないという思いで満ちていた。
拳を握って深呼吸をくり返し自分を奮い立たせる。
気合い入れと同時に生まれた風はリュナの身体を中心に囲うように強く吹き荒れた。強い眼差しは前だけを見つめ、自然と魔物たちの視線もリュナに集まっていく。
「ここから去りなさい。でないと斬るわよ。」
リュナの言葉を聞く訳でもなく、群れて動く魔物たちは一匹が走りだしたのをきっかけに一気にリュナを目がけて向かってきた。
リュナが眉をひそめ、一筋の風が通り過ぎた瞬間。
次々と向かってきた魔物たちの姿を断裂し、いくつもの肉の破片と血液が彼女の横を風のように通り過ぎていく。それが何度も何度も繰り返され、リュナはうつむき加減に冷たい目をしたまま視界の端でそれを確認していた。
見ていて気持ちいいものではない。
ある一定の距離から踏み込んだ魔物たちは次々に網にかかったように刻まれていく、やがて魔物は近づくのを躊躇うようになり距離を保ったまま己の喉を鳴らし威嚇をするようになった。
リュナはゆっくりと顔を上げて魔物達を見る。
「思考はあるようね。」
ただ単細胞に向かってくるだけでなく自己防衛本能は魔物にもあるのだと心の隅で納得した。
少しずつ足を進め指の先を目の前に群れて並ぶ魔物達に合わせる、その指先を横へ斬るようにして一つ線を描くと一筋の風が一瞬で流れた。
次の瞬間には大多数の魔物が切り刻まれてその場に崩れ落ちていく。
そこにあった巨大なものたちが無くなり視界は一気に開けて見えた。道を塞ぐように散らばった残骸の真ん中を風で斬って道を作り、リュナはそこを通って先にあるレプリカの元へと走る。
邪魔をするように襲い掛かってくる魔物たちを蹴散らしながら進むが、倒しても倒してもきりがない程、何体もの魔物がそこにはいた。
全てを相手していたらいつまで経っても辿り着けない、ただ阻むものだけに集中してかわしながらリュナは走り続けた。
拳を握って深呼吸をくり返し自分を奮い立たせる。
気合い入れと同時に生まれた風はリュナの身体を中心に囲うように強く吹き荒れた。強い眼差しは前だけを見つめ、自然と魔物たちの視線もリュナに集まっていく。
「ここから去りなさい。でないと斬るわよ。」
リュナの言葉を聞く訳でもなく、群れて動く魔物たちは一匹が走りだしたのをきっかけに一気にリュナを目がけて向かってきた。
リュナが眉をひそめ、一筋の風が通り過ぎた瞬間。
次々と向かってきた魔物たちの姿を断裂し、いくつもの肉の破片と血液が彼女の横を風のように通り過ぎていく。それが何度も何度も繰り返され、リュナはうつむき加減に冷たい目をしたまま視界の端でそれを確認していた。
見ていて気持ちいいものではない。
ある一定の距離から踏み込んだ魔物たちは次々に網にかかったように刻まれていく、やがて魔物は近づくのを躊躇うようになり距離を保ったまま己の喉を鳴らし威嚇をするようになった。
リュナはゆっくりと顔を上げて魔物達を見る。
「思考はあるようね。」
ただ単細胞に向かってくるだけでなく自己防衛本能は魔物にもあるのだと心の隅で納得した。
少しずつ足を進め指の先を目の前に群れて並ぶ魔物達に合わせる、その指先を横へ斬るようにして一つ線を描くと一筋の風が一瞬で流れた。
次の瞬間には大多数の魔物が切り刻まれてその場に崩れ落ちていく。
そこにあった巨大なものたちが無くなり視界は一気に開けて見えた。道を塞ぐように散らばった残骸の真ん中を風で斬って道を作り、リュナはそこを通って先にあるレプリカの元へと走る。
邪魔をするように襲い掛かってくる魔物たちを蹴散らしながら進むが、倒しても倒してもきりがない程、何体もの魔物がそこにはいた。
全てを相手していたらいつまで経っても辿り着けない、ただ阻むものだけに集中してかわしながらリュナは走り続けた。