御劔 光の風3
「私を責めてくれないか?」

少しでも彼の死を願ってしまった、そんな自分を悔いてならない。

なんという恐ろしいことを考えてしまったのか、何故それが幸せと思ってしまったのかを弱気自分に問いても何にもならなかった。

「貴方…どうしたの?」

今まで見たことのないハワードの姿に事の重要さを感じてナルは思わず彼の腕に触れる。

辺りを見回して誰もいないことを確認すると囁くように彼に語りかけた。

「大丈夫、誰もいないわ。話してちょうだい?」

ナルの言葉に落ち着きを取り戻しハワードは顔を覆った手を放す。

いや、ナルが触れた手によって促されたのだ。

「今日の会議の後、陛下と話をした。殿下の状況改善を申し入れてみた。」

ナルが頷く。

しかしカルサは状況維持だと答えた、雷神の仕事があるため城を留守にするから代わりがいるのだと。

鮮明に記憶を甦らせながら話すことをナルは黙って頷いている。

「陛下は知っているのだろう。殿下のお気持ちを…だから。」

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