御劔 光の風3
「武器はこれだけか?」
「はい。先日の戦いで破損したものが多く、すぐ使用できるものはここにあるものだけになります。」
「そうか。」
そう呟くとサルスは空の棚を眺めた。まだまだ奥に続いているのに、それに見合う数はない。
「足りないな。」
「他には兵士が常備している武器もありますが。」
「それでもだ。」
明らかに必要とする武器が足りていない。どうにかして手に入れなければと頭の中で策を巡らせいくつかの案を見出だした。
「手が使える負傷兵を鍛冶場に集めてくれ。」
「鍛冶場にですか?」
突然の命令にサルスの意図が分からず兵士は聞き返してしまった。サルスは空の武器棚を眺めたまま口を開きその理由を口にする。
「鍛冶場を不休で稼働させ、武器の補強を急がせる。破損した武器を回収し鍛冶場に運ばせる手配もしよう。城下の鍛冶職人にも手を借りたい。合わせて武器の補充担当の役人を選出する。そうだな…イーセル大臣に願い出よう。」
道筋を作ったサルスは次々に指示をしていった。兵士は指示された内容を書き留め返事をしてはいるものの表情は次第に曇っていく。サルスの言葉が止まって少ししてから彼の筆も止まり、目は遠慮がちに彷徨いながらもサルスを見上げた。
淡々としていた口調とは裏腹にサルスの顔付きは厳しい。
たちまち兵士は不安になり思わず視線を手元に落とした。そこには先程投げられたサルスの指示が記されている。この内容ではまるで襲撃がまた起こるようではないか。しかも遠い未来ではない、ごく近い内に魔物の群れが押し寄せてくるような。
そう考えると鼓動が早くなり背中を一筋、冷たい汗が滑り落ちた。
「どれだけの人数を動かせるか調べてくれ。急ぎで頼む。」
「…え?あ、はい!」
深く考え込んでいたのだろう、すぐにサルスの声に反応することができなかった。急いで返事をして書き留める。
同じく後ろに控えていた兵士に目で合図をすると彼は頷いて走り去っていった、これから彼は負傷兵の状態を確認しながら人数を数えていくのだろう。
だいたいの数は報告で上がっているがサルスとしてはその詳細もほしいところだった。
兵士が去っていったのを空気で感じ取るとサルスは相変わらず空の武器棚を眺めたまま口を開いた。
「はい。先日の戦いで破損したものが多く、すぐ使用できるものはここにあるものだけになります。」
「そうか。」
そう呟くとサルスは空の棚を眺めた。まだまだ奥に続いているのに、それに見合う数はない。
「足りないな。」
「他には兵士が常備している武器もありますが。」
「それでもだ。」
明らかに必要とする武器が足りていない。どうにかして手に入れなければと頭の中で策を巡らせいくつかの案を見出だした。
「手が使える負傷兵を鍛冶場に集めてくれ。」
「鍛冶場にですか?」
突然の命令にサルスの意図が分からず兵士は聞き返してしまった。サルスは空の武器棚を眺めたまま口を開きその理由を口にする。
「鍛冶場を不休で稼働させ、武器の補強を急がせる。破損した武器を回収し鍛冶場に運ばせる手配もしよう。城下の鍛冶職人にも手を借りたい。合わせて武器の補充担当の役人を選出する。そうだな…イーセル大臣に願い出よう。」
道筋を作ったサルスは次々に指示をしていった。兵士は指示された内容を書き留め返事をしてはいるものの表情は次第に曇っていく。サルスの言葉が止まって少ししてから彼の筆も止まり、目は遠慮がちに彷徨いながらもサルスを見上げた。
淡々としていた口調とは裏腹にサルスの顔付きは厳しい。
たちまち兵士は不安になり思わず視線を手元に落とした。そこには先程投げられたサルスの指示が記されている。この内容ではまるで襲撃がまた起こるようではないか。しかも遠い未来ではない、ごく近い内に魔物の群れが押し寄せてくるような。
そう考えると鼓動が早くなり背中を一筋、冷たい汗が滑り落ちた。
「どれだけの人数を動かせるか調べてくれ。急ぎで頼む。」
「…え?あ、はい!」
深く考え込んでいたのだろう、すぐにサルスの声に反応することができなかった。急いで返事をして書き留める。
同じく後ろに控えていた兵士に目で合図をすると彼は頷いて走り去っていった、これから彼は負傷兵の状態を確認しながら人数を数えていくのだろう。
だいたいの数は報告で上がっているがサルスとしてはその詳細もほしいところだった。
兵士が去っていったのを空気で感じ取るとサルスは相変わらず空の武器棚を眺めたまま口を開いた。