御劔 光の風3
「お前これからどうしていくつもりなんだ?」

聖たちが飛び出した後、二人の間には沈黙の時間が流れていた。

サルスにはカルサの考えが理解できなくなっていることに危機感を覚えたのだ。

今回の封印事件によってサルスの知り得なかった御劔としての姿を目の当たりにした、カルサの考えを表面でしか理解できていないことにようやく気付いたのだ。

知ったつもりでも違っていた、それは話さなかったカルサが悪い訳ではない。

聞こうとしていなかった自分自身のせいなのだとサルスは考えている。

「何を?」

「色々、だな。」

聞かれた質問の内容の広さにカルサは目を見開いてから長い唸り声をあげた。

自分でもよく分からない質問をしたと反省しているが思った以上の手応えの無さにサルスは苦笑いをしてしまう。

空気は悪くない。まるで子供に難しいことを聞いてしまった時のような気分をサルスは味わっていた。

今のカルサの表情は疑問符をいくつも浮かべて少し困ったようにも見える、それはサルスが昔よく見た顔だった。

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