御劔 光の風3

これまでのあらすじ

それは遠い遠い過去の事。

世界に光をもたらすオフカルスという国があり、光溢れるオフカルスとは正反対の役割を持つ世界に闇を与える魔界・レテイシアという国と共に中心世界と言われていた頃の話だ。

それらを中心としていくつかの国が存在し、二つの国によって昼と夜がもたらされていた時代を太古の時代と呼ぶ。

それぞれの国は強い特殊能力を持つ者を神官としオフカルスに仕える制度を取っていた。

当時オフカルスには十二人の神官が仕え、彼らを束ねる守麗王をその地に君臨させることで事実上の統治を表していたのだ。

王と神官、そしてそれらを任命する委員会の仕組みは長年続いたものであった。

しかしそれはある日突然に崩壊することになる。

それが「太古の因縁」とされる事件であった。

突如として起こった不幸な事件は国を崩壊へと導き、ここに太古の時代は終わる。


時は流れ、オフカルスの一部を切り離して栄えた国・シードゥルサで物語は始まった。

そこはかつて太古の国で最高神官の称号を与えられた光の神官ウレイが統治していた場所、時を超えウレイは生まれ変わろうした時に全ては動き出す。

太古の国オフカルスの第一皇子であったカルサトルナス、彼は死することなくその魂を未来へ送り、生まれ変わろうとしているウレイの身体に融合したのだ。

そして生まれたのがシードゥルサ国トルナス王家の第一王子カルサであった。

太古の時代に神官と称された特殊能力を持つ者たちは時を経て形を変えてその存在を貴きものへと進化した。

それこそが御劔。

かつての国オフカルスは御劔の総本山として存在し、名を改めて生まれ変わったカルサ・トルナスは御劔の一人雷神としてこの時代を生きることになる。

やがて自身の宿命に気付いたカルサは「太古の因縁」を終わらせるべく動き出すことになった。

長い年月を国王として君臨したシードゥルサを去り、新たに得た仲間と共にオフカルスへと向かう。

「太古の因縁」を引き起こし、世界を己の思うままに動かす歯車を創りだした現守麗王の玲蘭華と対峙する為。

そして「太古の因縁」の元凶である人物ヴィアルアイを倒すためにカルサは歩き出した。

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