御劔 光の風3
ゆっくりゆっくりと近付いてくる姿に、瑛琳もカルサも慣れていない状況が恥ずかしくて照れ笑いをしてしまった。
足音はやがて止み、カルサの目の前で瑛琳は微笑む。
「こうやって向かい合うのは初めてお会いした時以来でしょうか?」
「かもしれないな。」
懐かしそうに笑うカルサの近くには千羅が控えていた。瑛琳は千羅に視線を送り笑いかけると口を開く。
「跪かずに物申すことをお許しください。」
「構わない。そこまで俺を重んじなくていいくらいだ。」
「そうは参りませんが…今回はお言葉に甘えさせていただきます。」
飽き飽きとした態度を示すカルサに厳しい目を送りつつも瑛琳は口元に笑みを浮かべて言葉を続けた。
「皇子、私の願いはあの子の想いが報われることです。」
そう言う瑛琳の視線の先をカルサは追う、そこには不意打ちをくらった千羅の顔があった。
千羅には思いがけない出来事らしい。
「その為には…皇子に幸せになって頂かないといけません。」
カルサの耳にタコが出来るほど千羅から聞かされた言葉を今更瑛琳が言うつもりはなかった。カルサは目を細め、ゆっくりと瞬きをする事で瑛琳に応える。
それは瑛琳の笑顔を生み出す合図にもなった。
「私の目的は皇子、そして千羅の思いが貫けるように手助けする事です。」
名を呼ぶ相手と確実に目を合わせて瑛琳は宣言をする。
「皇子が私たちを信頼して下さるのなら、私たちの目的はより確かなものになります。」
足音はやがて止み、カルサの目の前で瑛琳は微笑む。
「こうやって向かい合うのは初めてお会いした時以来でしょうか?」
「かもしれないな。」
懐かしそうに笑うカルサの近くには千羅が控えていた。瑛琳は千羅に視線を送り笑いかけると口を開く。
「跪かずに物申すことをお許しください。」
「構わない。そこまで俺を重んじなくていいくらいだ。」
「そうは参りませんが…今回はお言葉に甘えさせていただきます。」
飽き飽きとした態度を示すカルサに厳しい目を送りつつも瑛琳は口元に笑みを浮かべて言葉を続けた。
「皇子、私の願いはあの子の想いが報われることです。」
そう言う瑛琳の視線の先をカルサは追う、そこには不意打ちをくらった千羅の顔があった。
千羅には思いがけない出来事らしい。
「その為には…皇子に幸せになって頂かないといけません。」
カルサの耳にタコが出来るほど千羅から聞かされた言葉を今更瑛琳が言うつもりはなかった。カルサは目を細め、ゆっくりと瞬きをする事で瑛琳に応える。
それは瑛琳の笑顔を生み出す合図にもなった。
「私の目的は皇子、そして千羅の思いが貫けるように手助けする事です。」
名を呼ぶ相手と確実に目を合わせて瑛琳は宣言をする。
「皇子が私たちを信頼して下さるのなら、私たちの目的はより確かなものになります。」