御劔 光の風3
次を譲る為に千羅と瑛琳はカルサの後ろに周り、誰も居なくなったカルサの目の前で足を止めて日向は向かい合った。
「カルサさんのこれからの行き先を教えてもらった。オフカルスのその先も、僕は一緒に行きたい。」
真っすぐな瞳は緊張しているからか気負いが感じられ、肩に力が入っているのが分かる。
勇気を振り絞って平常心を装いこの場に立っているのだと思うとカルサは居た堪れない気持ちになった。
「何故だ。」
拒む訳でもなくカルサは日向にその真意を問う。
表情は少しも変わらず、日向にはカルサの感情は読めなかった。しかし不思議と恐くはない。
日向は小さく頷くと、深呼吸をしていま自分が思う素直な気持ちを口にした。
「僕はカルサさんを知りたい。」
その言葉は周りに強く影響を与えた。
日向は記憶が戻ったのだろうか。その筈はない、彼は記憶がない自分に不安を感じている。そして記憶を取り戻す糸口を強く求めている。
不安がいくつも顔を出しては打ち消していく、わずか数秒間の間にカルサは自身の心の中で何度もそれを繰り返した。
「知ってどうする。」
少し冷たくも感じられる言い方だが千羅たちには恐がっている合図のようにも聞こえる。確実にカルサは日向が記憶を取り戻す事を恐れていた。
「どうもしないよ。僕はただカルサさんを知りたいだけ。何か感じるんだ、絆…みたいなものを。」
「そんな物は無い。」
「それでも火の力を持つ僕はこの先役に立つと思う。損はない筈だよ?」
「カルサさんのこれからの行き先を教えてもらった。オフカルスのその先も、僕は一緒に行きたい。」
真っすぐな瞳は緊張しているからか気負いが感じられ、肩に力が入っているのが分かる。
勇気を振り絞って平常心を装いこの場に立っているのだと思うとカルサは居た堪れない気持ちになった。
「何故だ。」
拒む訳でもなくカルサは日向にその真意を問う。
表情は少しも変わらず、日向にはカルサの感情は読めなかった。しかし不思議と恐くはない。
日向は小さく頷くと、深呼吸をしていま自分が思う素直な気持ちを口にした。
「僕はカルサさんを知りたい。」
その言葉は周りに強く影響を与えた。
日向は記憶が戻ったのだろうか。その筈はない、彼は記憶がない自分に不安を感じている。そして記憶を取り戻す糸口を強く求めている。
不安がいくつも顔を出しては打ち消していく、わずか数秒間の間にカルサは自身の心の中で何度もそれを繰り返した。
「知ってどうする。」
少し冷たくも感じられる言い方だが千羅たちには恐がっている合図のようにも聞こえる。確実にカルサは日向が記憶を取り戻す事を恐れていた。
「どうもしないよ。僕はただカルサさんを知りたいだけ。何か感じるんだ、絆…みたいなものを。」
「そんな物は無い。」
「それでも火の力を持つ僕はこの先役に立つと思う。損はない筈だよ?」