御劔 光の風3
「いつか来る戦いの日に私も剣を取る。その時まで私と一緒に戦い続けてくれる?」
それは勿論カルサに刃を向ける為ではない、その標的はいつでも彼に向かってくる敵だ。
リュナの真っすぐな思いが届いたのか、社は穏やかに微笑み抱きつくようにリュナに向かってそのまま再び姿を消した。
社の風が優しくリュナを包む。
「ありがとう。」
胸に手を当ててそう呟いた。
燐とした表情はもう前だけを見ている、いつまでもこの部屋に閉じこもってばかりではいられないのだ。
「もういい加減に動かないと。」
このレテイシアに来てからずっとリュナは自室として与えられたこの部屋から一歩も外には出ていなかった。
一度だけ空に浮かぶ月が恋しくてバルコニーに出たが、音はせずとも感じる魔物たちの気配に思わず引き返してしまったのだ。
ここは魔物と魔族が住む闇の世界、それを体感して余計に恐怖心がリュナの不安な心を揺さぶった。
しかしそれも今日でお終いだ。
まずはここが本当はどういう場所なのかを調べよう、覚悟を決めたリュナは身支度を整えた。
動きやすい服装で、しかしその身を守る為に外陰を羽織って辺りを見回す。
「当たり前、か。」
こんな部屋に武器が置かれている筈がない。
武器庫に向かった方がいいのかもしれないがそう簡単に手にすることも出来ないだろう。
その時こそ自分の風魔法が武器になるのだと気合が入って口元に力を入れる。
「よし、行こう。」
初めてに近い形でリュナは寝室から外に出る扉を開けた。
その先は応接も出来る広い空間があってますます自分の扱いに疑問を抱く。
それは勿論カルサに刃を向ける為ではない、その標的はいつでも彼に向かってくる敵だ。
リュナの真っすぐな思いが届いたのか、社は穏やかに微笑み抱きつくようにリュナに向かってそのまま再び姿を消した。
社の風が優しくリュナを包む。
「ありがとう。」
胸に手を当ててそう呟いた。
燐とした表情はもう前だけを見ている、いつまでもこの部屋に閉じこもってばかりではいられないのだ。
「もういい加減に動かないと。」
このレテイシアに来てからずっとリュナは自室として与えられたこの部屋から一歩も外には出ていなかった。
一度だけ空に浮かぶ月が恋しくてバルコニーに出たが、音はせずとも感じる魔物たちの気配に思わず引き返してしまったのだ。
ここは魔物と魔族が住む闇の世界、それを体感して余計に恐怖心がリュナの不安な心を揺さぶった。
しかしそれも今日でお終いだ。
まずはここが本当はどういう場所なのかを調べよう、覚悟を決めたリュナは身支度を整えた。
動きやすい服装で、しかしその身を守る為に外陰を羽織って辺りを見回す。
「当たり前、か。」
こんな部屋に武器が置かれている筈がない。
武器庫に向かった方がいいのかもしれないがそう簡単に手にすることも出来ないだろう。
その時こそ自分の風魔法が武器になるのだと気合が入って口元に力を入れる。
「よし、行こう。」
初めてに近い形でリュナは寝室から外に出る扉を開けた。
その先は応接も出来る広い空間があってますます自分の扱いに疑問を抱く。