御劔 光の風3
「いつも部屋の前に行くだけで殺気というか…そういう空気がいつもあったじゃない?今日はないなと思って部屋の中を覗いたらいなくって慌てて探しにきたのよ。」
殺気、確かにそれに近いものは出していた気がする。
誰も近寄るなという結界は常に張っていた、それはあのバルコニーで感じた魔物たちの気配に負けないようにするためだ。
それにしても、そういう思いでリュナは永の首から下げられている深い紫色の石が付いた装飾品に目をやった。
「…あなたのソレ。」
「ああ、これ?ロワーヌ様に頂いたものなの、これを付けていれば魔物は近付いて来ないって。ロワーヌ様の力を埋め込んであるから魔族の様な空気を纏えて狙われにくくなるみたい。」
こんな髪の私でもね。そう続けて永は自分の髪を一束摘まんで見せる。
それはまさしくラバの言うところの淡い髪色だ、察するに光の世界の住人であるという証なのだろう。
永の様子から見るにロワーヌとの関係は悪いものではないように思えた、それは少しの安心を抱けるが引っかかるものは捨てきれない。
何故、永は敬意や親しみを込めてロワーヌ様と呼んでいるのだろう。
リュナの記憶が確かなら永という女性は貴未に関係していた気がする。
貴未が探し求めている「ハルカ」がこの女性ならばここで一声かけた方がいいのだろうか。
でももし、彼女自身が罠だとしたら。
考え出すと全てを否定することになってしまうが止めることは出来なかった。
ここは敵地だということが念頭にあってリュナは戦うためにここに来たのだ。
頭の中で思考を巡らせるリュナの表情は厳しい、そんな彼女に永は笑いかけた。
「初めまして。私は永(はるか)、ロワーヌ様から貴方の傍にいるように言われてるわ。よろしくセリナ。」
まるで貴未の様にするりと心の中に入ってくる。
握手を求めて差し出された永の右手を見つめてまた思った。
「永とは家族同然でずっと一緒にいた。」
いつかの貴未の言葉を思い出して永にそれを重ねる。
殺気、確かにそれに近いものは出していた気がする。
誰も近寄るなという結界は常に張っていた、それはあのバルコニーで感じた魔物たちの気配に負けないようにするためだ。
それにしても、そういう思いでリュナは永の首から下げられている深い紫色の石が付いた装飾品に目をやった。
「…あなたのソレ。」
「ああ、これ?ロワーヌ様に頂いたものなの、これを付けていれば魔物は近付いて来ないって。ロワーヌ様の力を埋め込んであるから魔族の様な空気を纏えて狙われにくくなるみたい。」
こんな髪の私でもね。そう続けて永は自分の髪を一束摘まんで見せる。
それはまさしくラバの言うところの淡い髪色だ、察するに光の世界の住人であるという証なのだろう。
永の様子から見るにロワーヌとの関係は悪いものではないように思えた、それは少しの安心を抱けるが引っかかるものは捨てきれない。
何故、永は敬意や親しみを込めてロワーヌ様と呼んでいるのだろう。
リュナの記憶が確かなら永という女性は貴未に関係していた気がする。
貴未が探し求めている「ハルカ」がこの女性ならばここで一声かけた方がいいのだろうか。
でももし、彼女自身が罠だとしたら。
考え出すと全てを否定することになってしまうが止めることは出来なかった。
ここは敵地だということが念頭にあってリュナは戦うためにここに来たのだ。
頭の中で思考を巡らせるリュナの表情は厳しい、そんな彼女に永は笑いかけた。
「初めまして。私は永(はるか)、ロワーヌ様から貴方の傍にいるように言われてるわ。よろしくセリナ。」
まるで貴未の様にするりと心の中に入ってくる。
握手を求めて差し出された永の右手を見つめてまた思った。
「永とは家族同然でずっと一緒にいた。」
いつかの貴未の言葉を思い出して永にそれを重ねる。