御劔 光の風3
やがて視界に入った背の高い重そうな扉にぶつかりようやくリュナの足が止まる。
息が切れていることに気付いていないのだろうか、肩で呼吸をするほど荒れていたが意識は扉に集中していた。
見上げて扉の大きさを確認すれば見るからに重そうだったが、とりあえず手始めに軽く押してみる。
荒れたままの呼吸を差し置いてもやはり動く様子はない。
リュナは一呼吸を置くと気合を入れて扉に手を押しあて、体重をかけて扉を少しずつ開けていった。
古く重い扉の軋む音が響く。
逸る気持ちに動かされ、やっとの思いで出来た隙間から身体を滑り込ませるように中に入った。
「わっ!」
勢いあまって態勢を崩したが床に手を付いて何とかやり過ごす。
危なかった。
さっきまでとは種類の違う動悸に襲われて胸元に手を当てる。
視線をさ迷わせて顔を上げればここがいかに見事な装飾が施された部屋だということが分かった。
扉と同じように高い天井、この城で初めて見た色鮮やかな部屋に完全に意識を奪われる。
「…っ明るい?」
色鮮やかであると気付いたとき、ここには光があるということにも気付かされた。
自分の本当の肌の色を見れたのはいつ以来だろうか。
安堵と光を失っていたという喪失感を思い出して自分自身を抱きしめる。
改めて部屋を見渡せば奥へと続く通路に立っているのだと再認識した。
両側には二つずつ部屋がある、しかしやはり気になるのら真正面に位置する扉だった。
引き寄せられるように進み扉を開ければ何重に仕切りをつけるように布が垂れ下がっている。
この先に何かあるのだ。
そう確信めいたものを抱いて布を手で除けながらゆっくりと歩きだした。
息が切れていることに気付いていないのだろうか、肩で呼吸をするほど荒れていたが意識は扉に集中していた。
見上げて扉の大きさを確認すれば見るからに重そうだったが、とりあえず手始めに軽く押してみる。
荒れたままの呼吸を差し置いてもやはり動く様子はない。
リュナは一呼吸を置くと気合を入れて扉に手を押しあて、体重をかけて扉を少しずつ開けていった。
古く重い扉の軋む音が響く。
逸る気持ちに動かされ、やっとの思いで出来た隙間から身体を滑り込ませるように中に入った。
「わっ!」
勢いあまって態勢を崩したが床に手を付いて何とかやり過ごす。
危なかった。
さっきまでとは種類の違う動悸に襲われて胸元に手を当てる。
視線をさ迷わせて顔を上げればここがいかに見事な装飾が施された部屋だということが分かった。
扉と同じように高い天井、この城で初めて見た色鮮やかな部屋に完全に意識を奪われる。
「…っ明るい?」
色鮮やかであると気付いたとき、ここには光があるということにも気付かされた。
自分の本当の肌の色を見れたのはいつ以来だろうか。
安堵と光を失っていたという喪失感を思い出して自分自身を抱きしめる。
改めて部屋を見渡せば奥へと続く通路に立っているのだと再認識した。
両側には二つずつ部屋がある、しかしやはり気になるのら真正面に位置する扉だった。
引き寄せられるように進み扉を開ければ何重に仕切りをつけるように布が垂れ下がっている。
この先に何かあるのだ。
そう確信めいたものを抱いて布を手で除けながらゆっくりと歩きだした。