御劔 光の風3
自分はすっかり闇の世界の人間になってしまった、胸の内で呟かなくても頭と身体が自然と理解していく。
頭の中である程度気持ちと状況の整理が付くとリュナは顔を上げた。
永とラバ、二人の顔をじっくり真正面から観察する。
ここは言わば敵地、誰一人信用するつもりもない。心を許すなんてもっての他だ。
リュナは二人の真意を知りたかった。
自分に関わろうとする理由、光の世界にいた魔族だから物珍しさで関わろうとするのか、それとも他に目的があるからか。
口を開けるよう笑顔で促す永に更にリュナは戸惑ってしまった。
「ほら、風神。あーん。」
「…永、風神が困ってるぞ。」
「えー?」
とんでもない空気に見兼ねたのか呆れ声のラバの一言により永は改めてリュナの様子を窺う。
さっきまでの無表情とは違い苦笑いに近い固まった表情に諦めを付けるとつまらなさそうに口を尖らせてスプーンを器に戻した。
「どうぞ?」
そして今度はリュナ自身に器を取るよう促す。
リュナはそれを受け取るも最初は永の様子を窺っていたが大人しく従い静かに口に含んだ。
懐かしい様な甘い味が口の中に広がり優しい温度が喉を通っていく。
「どう?美味しい?」
永の明るい声がリュナに問いかけた。
「…ええ。」
言葉は少ないが微かに笑みを浮かべてリュナは答える。
確かにそれは美味しかったから。味はどちらかといえば懐かしい育ての親である風蝶の婆に似ていた。
頭の中である程度気持ちと状況の整理が付くとリュナは顔を上げた。
永とラバ、二人の顔をじっくり真正面から観察する。
ここは言わば敵地、誰一人信用するつもりもない。心を許すなんてもっての他だ。
リュナは二人の真意を知りたかった。
自分に関わろうとする理由、光の世界にいた魔族だから物珍しさで関わろうとするのか、それとも他に目的があるからか。
口を開けるよう笑顔で促す永に更にリュナは戸惑ってしまった。
「ほら、風神。あーん。」
「…永、風神が困ってるぞ。」
「えー?」
とんでもない空気に見兼ねたのか呆れ声のラバの一言により永は改めてリュナの様子を窺う。
さっきまでの無表情とは違い苦笑いに近い固まった表情に諦めを付けるとつまらなさそうに口を尖らせてスプーンを器に戻した。
「どうぞ?」
そして今度はリュナ自身に器を取るよう促す。
リュナはそれを受け取るも最初は永の様子を窺っていたが大人しく従い静かに口に含んだ。
懐かしい様な甘い味が口の中に広がり優しい温度が喉を通っていく。
「どう?美味しい?」
永の明るい声がリュナに問いかけた。
「…ええ。」
言葉は少ないが微かに笑みを浮かべてリュナは答える。
確かにそれは美味しかったから。味はどちらかといえば懐かしい育ての親である風蝶の婆に似ていた。