御劔 光の風3
貴未の言葉にその人物の姿を思い出す。
あの喧嘩別れのような形でシードゥルサを出たカルサにとって心臓を鷲掴みにされたような感動が希望を見つけてくれる。
「じゃあ…シードゥルサは。」
「無事です。」
力強いその言葉にカルサもサルスも声を詰まらせて息を震わせた。
言葉も無い。
ただ大きな安堵と何とも形にし難い感謝の気持ちで胸が騒がしかった。
これは奇跡と呼びべきなのだろうか、それとも彼らの手で勝ち取った未来なのだと大声で叫ぶほうが合っているような気がする。
「…レプリカ、ハワードは?」
「こちらにはみえません。皇子に会う訳にはいかないと…お気持ちが強いようで。」
疑うような表情でレプリカに目を細めてみれば、申し訳なさそうに眉を下げた彼女が言葉を続けた。
「自分は何も知らないのだと。…皆様の事を。」
そう言って視線を送った先には千羅やマチェリラ、圭がいる。
あの時カルサは真実を求めるハワードに対して少しも譲らずに最後まで口を閉ざしたままだった。
確かにハワードはカルサを問い詰めたが何かを聞いた訳ではない。
ハワードはあくまでも貴未から情報を得ただけでそれはカルサの知らない場所で行った事だ。
つまりはそういう事だった。
「…意地か。」
ハワードの事を思ってカルサが呟く。
拗ねているのかと誤解しそうにもなるがハワードのことだ、そういった感情ではない。
「親心の強い人だな、俺たちの教育係りは。」
未だ自分の力で起き上がれないサルスは横たわったまま優しい声で呟いた。
あの喧嘩別れのような形でシードゥルサを出たカルサにとって心臓を鷲掴みにされたような感動が希望を見つけてくれる。
「じゃあ…シードゥルサは。」
「無事です。」
力強いその言葉にカルサもサルスも声を詰まらせて息を震わせた。
言葉も無い。
ただ大きな安堵と何とも形にし難い感謝の気持ちで胸が騒がしかった。
これは奇跡と呼びべきなのだろうか、それとも彼らの手で勝ち取った未来なのだと大声で叫ぶほうが合っているような気がする。
「…レプリカ、ハワードは?」
「こちらにはみえません。皇子に会う訳にはいかないと…お気持ちが強いようで。」
疑うような表情でレプリカに目を細めてみれば、申し訳なさそうに眉を下げた彼女が言葉を続けた。
「自分は何も知らないのだと。…皆様の事を。」
そう言って視線を送った先には千羅やマチェリラ、圭がいる。
あの時カルサは真実を求めるハワードに対して少しも譲らずに最後まで口を閉ざしたままだった。
確かにハワードはカルサを問い詰めたが何かを聞いた訳ではない。
ハワードはあくまでも貴未から情報を得ただけでそれはカルサの知らない場所で行った事だ。
つまりはそういう事だった。
「…意地か。」
ハワードの事を思ってカルサが呟く。
拗ねているのかと誤解しそうにもなるがハワードのことだ、そういった感情ではない。
「親心の強い人だな、俺たちの教育係りは。」
未だ自分の力で起き上がれないサルスは横たわったまま優しい声で呟いた。