御劔 光の風3
少し薄暗かった空が少しずつ晴れてきているような気がする。
解いたのか魔法の効力が切れてきたのか廃墟と化していた城の景色も変わってきたのだ。
いつもの、見慣れた景色がかつての日常を取り戻していくように感じられて胸が熱くなる。
まるで悪夢の終わりを迎えたかのような解放感がふつふつとわいてきた。
こんな気持ちを抱いていい立場ではないのに許されたような気がしているなんて。
「…良かった。」
そう呟いて涙を流した。
それを機に次々と涙があふれて何筋もの涙が伝っていく。
この国を守れるのならこの命はいらないと何度叫んだだろう。
奪われていく意識、身体、どれだけの恐怖を感じて未来を絶望しただろう。
この手で壊すことだけは絶対に許したくなかった、皆で必死になって守ってきたこの国を不甲斐ない自分のせいで壊すことだけは絶対にしたくなかったのだ。
「…レプリカ。」
「はい。」
「皆も。」
「はい。」
声を放てば応えてくれる人がいる。
そんな当たり前の姿を失うところだった。でも守りきれた、守ってくれたのだ。
「本当にありがとう。」
掠り上ずった声を震わせ、サルスは横になりながらも可能な限り頭を地につけようと身体を動かした。
「殿下…っその様な!」
その様子に慌てたレプリカたちが制止しようと手を伸ばすが次の瞬間に思わず動きを止めてしまう。
カルサがサルスのすぐ横で頭を下げたのだ。
両膝を付けた状態で、腿の上に手を置いたまま静かに頭を下げてその場の時を止める。
解いたのか魔法の効力が切れてきたのか廃墟と化していた城の景色も変わってきたのだ。
いつもの、見慣れた景色がかつての日常を取り戻していくように感じられて胸が熱くなる。
まるで悪夢の終わりを迎えたかのような解放感がふつふつとわいてきた。
こんな気持ちを抱いていい立場ではないのに許されたような気がしているなんて。
「…良かった。」
そう呟いて涙を流した。
それを機に次々と涙があふれて何筋もの涙が伝っていく。
この国を守れるのならこの命はいらないと何度叫んだだろう。
奪われていく意識、身体、どれだけの恐怖を感じて未来を絶望しただろう。
この手で壊すことだけは絶対に許したくなかった、皆で必死になって守ってきたこの国を不甲斐ない自分のせいで壊すことだけは絶対にしたくなかったのだ。
「…レプリカ。」
「はい。」
「皆も。」
「はい。」
声を放てば応えてくれる人がいる。
そんな当たり前の姿を失うところだった。でも守りきれた、守ってくれたのだ。
「本当にありがとう。」
掠り上ずった声を震わせ、サルスは横になりながらも可能な限り頭を地につけようと身体を動かした。
「殿下…っその様な!」
その様子に慌てたレプリカたちが制止しようと手を伸ばすが次の瞬間に思わず動きを止めてしまう。
カルサがサルスのすぐ横で頭を下げたのだ。
両膝を付けた状態で、腿の上に手を置いたまま静かに頭を下げてその場の時を止める。