御劔 光の風3
彼らが帝の血族と呼ばれるには勿論理由があって、一つは特殊な力を持っていること。
そしてもう一つは、帝はそれぞれの宮から順番に出されていることだ。
元々は帝の兄妹をそれぞれの宮に分けたことから始まったこの国では、その血族以外の者が国を治めたことはなかった。
現在の帝が北宮から出されたのであれば次は東宮が帝を出す、建国よりそうされていたしきたりで継がれていたこの国に異変が起きたのは近い過去の事だ。
北宮から出された帝は己の死期を悟った際に次の帝を自身の子に譲ると宣言した。
すなわちそれは決まり事である東宮に引き継ぐ約束を破り、北宮から連続で帝を出すということだった。
当然反対の声が上がったが、帝が死を迎えた頃にはその声も無くなっていた。
新たに帝となった北宮の宮主はその位を幼い息子に譲って帝の位置についた、そしてまた北宮の政治が続いたのだ。
少しづつ歪んでいく政策に周囲の心は歪み始める。
我慢の限界を迎えそうだった頃、またも状況は変わった。
二代続けて帝を出した北宮はさらに次も北宮から出そうとしているのだと知らされたからだ。
それには他の三宮主が異論を唱えたが、聞き入れられなかった。というよりも口を出せなかったのだ。
帝の血族は特殊な力を持っている、それは北宮の一族も同じことで先代北宮の帝は毒を操る力を持っていた。
次は息子に帝を継がせたいと訴えれば当然ながら周囲から反対の声があがる、しかし異を唱えた者は何故か順に体の不調を訴え倒れていったのだ。
何故か。
新たに声をあげる者がいれば何らかの形で倒れていく。
何故か。
次第に異論を出すものはいなくなり、先代の死を機に新しい帝として息子が国の舵をとった。
今しかない、反旗を翻そうとした者は立ち上がったが足元を掬われてしまった。
その息子もまた毒を操り、父である先代と同じ思考を持っていたから。
水面下で動いていた者たちは次々に本宮に呼び出され、暫くは本宮内の立て直しに尽力する役目につけられた。
そしてもう一つは、帝はそれぞれの宮から順番に出されていることだ。
元々は帝の兄妹をそれぞれの宮に分けたことから始まったこの国では、その血族以外の者が国を治めたことはなかった。
現在の帝が北宮から出されたのであれば次は東宮が帝を出す、建国よりそうされていたしきたりで継がれていたこの国に異変が起きたのは近い過去の事だ。
北宮から出された帝は己の死期を悟った際に次の帝を自身の子に譲ると宣言した。
すなわちそれは決まり事である東宮に引き継ぐ約束を破り、北宮から連続で帝を出すということだった。
当然反対の声が上がったが、帝が死を迎えた頃にはその声も無くなっていた。
新たに帝となった北宮の宮主はその位を幼い息子に譲って帝の位置についた、そしてまた北宮の政治が続いたのだ。
少しづつ歪んでいく政策に周囲の心は歪み始める。
我慢の限界を迎えそうだった頃、またも状況は変わった。
二代続けて帝を出した北宮はさらに次も北宮から出そうとしているのだと知らされたからだ。
それには他の三宮主が異論を唱えたが、聞き入れられなかった。というよりも口を出せなかったのだ。
帝の血族は特殊な力を持っている、それは北宮の一族も同じことで先代北宮の帝は毒を操る力を持っていた。
次は息子に帝を継がせたいと訴えれば当然ながら周囲から反対の声があがる、しかし異を唱えた者は何故か順に体の不調を訴え倒れていったのだ。
何故か。
新たに声をあげる者がいれば何らかの形で倒れていく。
何故か。
次第に異論を出すものはいなくなり、先代の死を機に新しい帝として息子が国の舵をとった。
今しかない、反旗を翻そうとした者は立ち上がったが足元を掬われてしまった。
その息子もまた毒を操り、父である先代と同じ思考を持っていたから。
水面下で動いていた者たちは次々に本宮に呼び出され、暫くは本宮内の立て直しに尽力する役目につけられた。