君の『好き』【完】
海くんのためにも.....
海くんは救急箱から、ガーゼタイプの絆創膏を出して、
私の膝に貼った。
「よし、じゃあ俺は校庭戻るから。
もう、ひとりで帰れるよな」
海くんは救急箱を持って立ち上がった。
「海くん.....」
「宇崎が幸せなら、俺はそれでいい。
じゃあな」
海くんはカーテンを開けて出て行ってしまった。
海くん
海くん......
私は両手で顔を覆って、声を押し殺して泣いた。
涙が止まらなくて、
止まらない理由も、自分の気持ちもわからなくて、
頭の中が混乱して......
しばらくそのままベッドの上で泣いていた。