君の『好き』【完】
「えっ.......」
吉井くんは自分の髪をくしゃくしゃっとした。
「渡瀬に言われたのもあるけど、
俺、愛莉のそばにいるって、
死んだ兄ちゃんの代わりにそばにいるって決めてから、
ずっと罪悪感と、虚しさでいっぱいだった。
愛莉のそばにいれば、
いつか好きになるかもしれないって思ったりもしたけど、
人を好きになるっていうのは、
そんな簡単なことじゃなかった。
俺、ずっと......
鈴が風間先輩を見ていた頃からずっと、
ずっと鈴が好きだった」
風間先輩を見ていた頃から......
「うそ......」
「鈴が俺を好きだって言ってくれた時、
本当はすごく嬉しかった。
鈴.....
俺たち、付き合おう」