君の『好き』【完】




次の日の早朝、



いつもよりもずっと早く起きて、


学校の準備をし玄関を出た。



まだ外は少し薄暗くて、冬の冷たい空気を感じながら、


近所の公園に向かった。




「寒いぃぃぃ......」





ベンチに座ると、ますますひんやりと冷えて、


ブレザーのポケットに両手を入れて背中を丸めた。



朝練に行く海くんを待ち伏せしようと思ったんだけど、朝練が何時からかわからなくて、


とにかく早めに公園で待つことにした。



「ちゃんと会って、気持ちを話して......」



ぶつぶつと独り言のように話しながら、しばらくベンチで海くんを待った。


でも、なかなか公園の前を通る気配がなくて、


だんだんと不安になってきた。


もっと、早くに出ていたのかな......




ものすごく寒くて、震えながらポケットから手を出し、腕時計を見て顔を上げた時、



公園の前を海くんが通った。





「海くん!!」



私は両手をポケットから出して、ベンチから立ち上がった。





海くんはパッとこっちを向いて立ち止まった。





「宇崎?」





海くんは、公園の中に走ってきた。





















< 133 / 205 >

この作品をシェア

pagetop