君の『好き』【完】
「瞬の部屋に行ってもいい?」
一緒に駅から帰ってきて、
瞬の家の前で、思い切って言ってみた。
類と付き合ってから、瞬の部屋には行かなくなった。
でも、私は今、
瞬の部屋に行きたい.......
少しでも、類を感じたい......
「別に......来たいなら、来れば」
瞬はそう言って、玄関へと歩いて行ってしまった。
よかった.......
急いで瞬の後について、玄関へと入ると、
久しぶりに、類の匂いを感じた。
泣きそうな気持ちをぐっとこらえて、
瞬の後ろから階段を上ると、
類の部屋のドアの前を通り過ぎて、
瞬の部屋へと入った。